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リレートーク 22走目

2020.06.16(火)

こんにちは。
今藤政貴です。
忠一郎さんより、すこぶるヘビーな質問がまわってきました。
なにしろ、ぼく自身が途方に暮れている状態です。
それでも、これからのことについて、思うところがなくもないので、
たぶん支離滅裂になりますし、なにか建設的なことを言える自信もありませんが、
いま、思ったり感じたりしていることを書いてみようとおもいます。
 多くの業界同様、わたくしたち邦楽界(に限らずおそらくほとんどの舞台芸術関係の業界)をとりまく環境は、かなり厳しいものとなっています。
どうにか緊急事態宣言は解除されて、ぼくの住む東京でも、少しづつ社会がまわるようになってきて、それは嬉しいことですが、
ぼくらの辛いところは、その動きがこちらの業界の歯車に届く見通しの立たないことです。一度中止になった舞台が復活することはありませんし、それどころかいまも(今日も)舞台のキャンセルの連絡が続いています。いまのようすだと、ぼくらの舞台活動がある程度まで戻ってくるのは、楽観的に見ても来年の春頃になるでしょう。
ですからコロナ後を迎える前に、まずはコロナの渦中をどうにか切り抜けなくてはないわけで、
きっと“イン コロナ”と"アフター コロナ"の境界もわからないまま一日一日が過ぎていくのでしょう。
いずれにしろ、邦楽人としても一市民としても、
当面のこと、それから もう少し落ち着いた先のことまでを深刻に考えずにはおれませんね。
 そんないま、まず何よりも大事なことは、
いろんな意味でのコンディションを整えて、良い作品、良い演奏を作り上げる、あるいはその準備をすることでしょう。
当たり前過ぎるような、しかも本来これはどんな状況でも同じことなので、いまさら特筆することでもないようでもあるのですが、どうもそれがそうも言えない気がするのです。
もしかしたら、これはぼくだけのことなのかもしれませんが、
とにかくいま、舞台がなくて、表現の場がなくて、生活の糧がない、いつまでこの状態が続くかもわからない大きな不安にさいなまれていて、
 そこから脱却したい、早く元の日常に戻ってほしい、
こう思う一方、
 いつもの、舞台を目前にした緊張、不安から解放され、
こんな状況にも関わらず、少しホッとして、緩んでしまっている自分を意識せずにはおれません。
何十年もずーっと綱渡りを続けてきたのが、いまは地べたに腰をおろしている状態。また、綱の上で立ち上がれるのだろうか?このまま、もとの現場に戻れるものなのか?正直こわいです。
 忠一郎さんからいただいた質問の内容からは はずれてしまうかもしれませんが、ぼく個人としては、いまさらながら現状に正面から向き合って、立ち向かえる心技体をつくりなおすことが第一の課題なんじゃないかと思っています。

 

そのうえで、この情勢のなかで、何をめざし、どんな活動をしていくべきか。
まだなにも述べられていません。
リレートークなので、本当ならだれかにお回ししなくてはいけないのですが、
もう少し自問自答すべく、
「つづく」とさせていただきます。

 

著者?近影。舞台がないので、かれこれ4ヵ月床屋に行ってません。きっと床屋に行ってない人多いんだろうなぁ。

 

今藤 政貴

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