リレートーク 7走目
2020.04.10(金)
ついに緊急事態宣言の発令となりました。この六週間、今まで何十年も出来なかったことを沢山やりたいと思います。皆々様もお身体にお気をつけてお過ごし下さい!
さて、長龍郎さんの御質問について……
私の良い音の理想像は、箏・地歌三絃では、初代米川敏子の音色です。
珠を転がすような音と言われていました。
しかし、私には全く同じ音色は出せません。骨格、身長、体重、手の大きさ、全てが違い、また音色に一番現れる、性格が違います。
しかし、一番近付きたい理想の音色です。
楽器、糸に無理な力を掛けずに全てを響かせることは沢山の条件が揃わないと難しい事ですが、他ジャンルで素晴らしい音色を奏でられる先生方を拝見していると、最善の努力をされた上で全ての条件をコントロールし、更に肩の力の抜けた芯のある美しい響きを出されると思います。
母も、端から見ていると何の力も入れず、いとも簡単そうに難しいパッセージをサラリと弾いているように見えながら、側で顔を見ると、唇はピクピクと震え全身の神経が指先に集中していることが分かり驚いた事がありました。
音色は音楽の中でとても大切な要素です。いつまでもこだわりを持って生きたいと思っています。
1日も早くコロナが終息へ向かってくれないと、本番が出来ません。私達音楽家は本番があってこそ、こだわりも理想の音色も求めることができるのです。
次はリレーの最終ランナー、今藤政太郎同人にバトンをお渡し致します。
先生は今も辛いカレーを召し上がっていらっしゃいますか?
カレーの他のご自慢の好物をお教え下さい。
宜しくお願い致します!
米川 敏子