
創邦21と創作を語る | 同人座談会2
今藤美治郎×清元栄吉×今藤長龍郎×松永忠一郎
- 持つ?持たない?
- 美治郎
三味線四人でという話で…僕は三味線を持たないでは曲ができないけど、みなさんは?
- 栄 吉
僕は持つとできません。
- 美治郎・長龍郎・忠一郎
おお!
- 栄 吉
楽器を持っちゃうと自分のできることが制限されちゃうのです。
- 美治郎
僕は持ったかんじや手順から創っていきますね。
- 長龍郎
僕は最初はピアノの前にいたんですけど、そうするとピアノの曲になっちゃうのでやめました。 三味線も持たない方ですが、それで創ってみて、いざ弾いてみると想像と違ってやり直してという具合です。
- 忠一郎
僕は持たないとできないですね。今は特に、古典に準じたような曲しか創らないですし。
- 栄 吉
僕はほぼ、歌詞があって、節のイメージがあって、三味線は伴奏なので後から考える。古典の創り方をする場合でも。お箏が入る場合ですか?この曲はこんなかんじってなったときに、三味線の線だけじゃ響きがイメージでないから、それを実際に実現するためにお箏のフレーズがここに必要だなと思ったりする。足し算ではないんです。
今回の「河童」は、そもそもの注文が弾き語り。うたひとつと三味線一本とで創っているときに子どもの声が聞こえてきちゃったので、どこかで入れたいなと思っていた。 - 長龍郎
僕は曲によってその都度やり方が違います。笛の部分なら、楽器を構えてその指の格好をしてみたりもしますし。
- 忠一郎
僕ははじめから歌詞に完全に導かれてます。
- 美治郎
僕もなんとなく先に唄の節を考えてみたりしますね。
- 調子の話
- 長龍郎
前はホンを見て創れそうなところから始めたりもしていましたけど、最初に創ったのと繋がりが悪くて結局やり直すこともよくあって、今はとにかく最初から創ります。まず詞のイメージや唄う人の音域から調子を決めて、構成を決めます。今、考えてみたら、僕、三下りの曲はあんまりないですね。
- 美治郎
僕は本調子が多いなあ。本調子から二上りにしてまた本調子っていうのが多い。
- 忠一郎
浄瑠璃みたいに始まるのは本調子ですよね。長唄の復曲をやらせてもらうようになってから、僕は専ら三下りです。古い曲は、調子の指定がないのは三下りっていう。本調子の浄瑠璃の手を三下りでやることによって、長唄独特の手ができていたり。それと、我々はどんどん展開しなきゃいけないと思っているけど、古い曲って、のべつずっとやっていて、全体的に一つの雰囲気ができている。一本調子で面白い。僕もそういう曲を創りたくてずっと考えています。
- みんなちがって
- 栄 吉
ものを創るときに一緒にいれば、そりゃお互い何らかの影響はあるでしょう。創邦21の一員じゃなかったら、自分の曲風は三味線音楽としてこんな風になっていなかったかもしれないです。
- 美治郎
たしかに、いろんな編成の曲を間近で聴かせていただくと、こういうのもありだなと思ったりしますしね。そう、ゆくゆくは三味線の他の邦楽器を入れて大きな編成の曲を考えられたらと思います。
- 長龍郎
僕は三味線でやるんだったら、サワリがついて響く音を。聴いた人が楽器の音色を味わうような曲が書きたいですね。
- 栄 吉
創邦21はね、スタイルはそれぞれ全然違うけど、みんなロマンチックなんですよ。


