リレートーク 5走目
2020.04.05(日)
こんにちは。清元栄吉です。
ウィルスそのものよりも、
なんだか得体のしれない不安が日に日に 街全体を蝕んでいくように感じられます。
一日も早い事態の収束を心より願います。
さて
今藤美治郎さんのご質問にお答えいたします。
自分が客席にいてどんな音が聞こえてきたらゾクゾクするかしら、と想像するところから始めます。
頭の中は・・すごく気にはしてますが、何も考えません。
歯を磨いてる時にやおらアイディアが出てきたりすることがあるので油断ならんのですが、
そういう時はiPhoneのボイスメモに鼻歌で残すとか、メモとるとかします。
それを何かの楽器で弾く、
録音(自分で弾けない楽器は安物のサンプリング音源を鍵盤で弾きます)してみる、
録ったら忘れる努力をする・・コンビニに行くとか。
であらためて聴くと「あれ?」とか思ったりする。
で耳を澄ませる。
たとえば1本のメロディを思いついたつもりでも、そのひとまとまりのイメージの中に実は、背景を彩るさまざまな要素が隠れてたりする。
その要素たちを具体化して音にしないとイメージ通りの響きはしない。
考えるのでなく耳を澄ませる。
いくつかの楽器の響きがはじめから浮かぶときももちろんあります。そんなときは素直にそのとおりに音や楽器を配置します。
でも表立って響いてこないパッセージまでいっぺんにイメージできることは少ないし、また
大事なラインを効果的に響かせるのには陰の力が・・対位法だったり、リズムや他の音程の支えだったり・・必要だと気づかされる時もあります。
いつでも “初めてその音を聴く” のが大事だと思ってます。
多重録音できる道具を使って、ああだこうだ弾いてみては耳を澄ませます。
耳が悪いのか、頭が悪いのか、わたしのやり方はいきあたりばったりでとても能率が悪いです。
美治郎さん、答えになってますか。
続いてわたくしからは今藤長龍郎さんに質問です。
長龍郎さんはピアノ演奏がたいへんに鮮やかで、お若い頃は三味線弾きかピアニストか、で迷われた時期がある、と伺ったことがあります。
「好きなピアノ作品を2つ選んで教えてください」(もちろんピアノソロでなくてもけっこうです)
清元 栄吉